海の見えない森の街 #20221124
こんにちは。
目が覚めたら、校舎の空き教室にいました。
わずか開かれた窓の脇で、小売店で買った食品の破かれた包装だけがゆらめいていました。
つけっぱなしのイヤホンからはどこか覚えのあるピアノの音が聞こえます。
久しぶりに夢を覚えていません。無味乾燥とした寝起きの気分です。
ただ、今も遠くで断続的に鳴り続ける工事の低音が、眠りの最中でさえ頭のなかに響いていたことだけを思い出しました。
がたん、となんらかの重機によるらしいひときわ大きな音がなって、それから工事現場は幾分か静かになりました。
飲みかけの紅茶へ口をつけました。
大学は都心のまなかにあります。乱立する高層建築のうちのひとつに僕はいて、少しの風が打ち付ける教室の窓からは街の裏あたりにある住宅たちが見渡せます。
人影は見当たりませんでした。
遠くには日本の中心部のひとかど、超高層の建造物群が佇んでいます。
ぼくはあのビルが好きです。
いつかこんな美しいものを自ら創り出したいとまで思います。
傲慢とは分かっていても、思ってしまった以上、この念抱かずにはいられないのです。どうやらそういう人間のようです。
そんな虚栄心の塊のような願望を持つ僕は、あまり幸せな人ではないのかもしれないと考えるようにもなりました。
特に最近、日々に楽しみを見出していくにつれそんな思いは強まります。
だからこそ僕はこれまで抱えてきた数多くの夢にまだしがみついていたいのです。
何を伝えたいでもなく書きはじめてみたらこの有様。これにて三日目を終えることにします。
ありがとうございました。